勝負なし法

泣く子供

兄弟間のいさかいに、勝負無し法を使う。

9歳の兄と5歳の弟の中で何かあったようだ。
兄が弟にゲンコツをしたらしい。
兄が怒鳴り、弟が泣く。

母親

どうしたの?

弟が僕の新しいボールを勝手に持ち出して使ったんだ!

母親

兄さんの新しいボールを勝手に使ったって言ってるよ。

だってお兄ちゃん居なかったんだ!
だから後で言おうと思っていたんだよ。

母親

お兄ちゃんが居なかったから、帰ってきたら言おうと思って居たんだって。

お前はいつだって、黙って使って、汚いまんま放っておくじゃないか!

母親

あなた(弟)はいつでも黙って使って、汚いまんま、放っておくんだって。

嘘だよ、この前は、僕綺麗にして返したよ。

母親

この前は、綺麗にして、返したんだってよ?

この前って何時だよ!そんな事一度も無いぞ!

母親

今迄一度も綺麗にして、返した事はないって

お兄ちゃんだって、僕のもの黙って使って、知らんぷりしてるじゃないか!


こんなやり取りが1時間以上も続きました。
「本当に解決出来るのかな?」と母親は少し疲れ気味。
2人は次々言い合いますが、、、
これ以上は違った方向に行くと思ったタイミングで母親が間に入ります。

母親

二人はどうなったら良いの?

僕の物を黙って使わない事!

母親

お兄ちゃんの物を黙って使わない事ですって。

僕のもね!

母親

弟のも黙って使わないでって言ってるよ。

それから、綺麗にして返して、元通りにして

母親

元通り綺麗にして返してってお兄ちゃんが言っているよ。

うん分かった。お兄ちゃんが居ない時は使っちゃダメ?

母親

お兄ちゃん、どう?
使っちゃダメか?って聞いてるよ

うーん、元通り綺麗だったらいいよ

母親

元通りにして返すならいいって!

やったー!僕、綺麗にして返すね。報告もするよ!



言いたいことを言い合えた二人。
時間はかかりましたが、二人の顔が、いい顔になりました。
今までは親が介入して説教したり、命令したり後味の悪い思いをしていたようです。

今回、母親は「兄はこう言っているよ」「弟はこう思っていたんだって」と相手の言い分を伝えていただけ。

勝ち負けよりも、大事な事が見えてくるのでしょうか?
この母親はもっと子どもを信じて良いんだと感じたそうです。
聴いてもらうと私の意見には価値があると実感できるのですね。